マリヤム
يَا يَحْيَىٰ خُذِ الْكِتَابَ بِقُوَّةٍ ۖ وَآتَيْنَاهُ الْحُكْمَ صَبِيًّا12
(そしてかれの息子に。)「ヤヒヤーよ,啓典をしっかりと守れ。」(と命令が下った)。そしてわれは,幼少(の時)かれに英知を授け,
وَحَنَانًا مِنْ لَدُنَّا وَزَكَاةً ۖ وَكَانَ تَقِيًّا13
またわが許から慈愛と清純な心を授けた。かれは主を畏れ,
وَبَرًّا بِوَالِدَيْهِ وَلَمْ يَكُنْ جَبَّارًا عَصِيًّا14
父母に孝行で高慢でなく,背くこともなかった。
وَسَلَامٌ عَلَيْهِ يَوْمَ وُلِدَ وَيَوْمَ يَمُوتُ وَيَوْمَ يُبْعَثُ حَيًّا15
かれの生誕の日,死去の日,復活の日に,かれの上に平安あれ。
وَاذْكُرْ فِي الْكِتَابِ مَرْيَمَ إِذِ انْتَبَذَتْ مِنْ أَهْلِهَا مَكَانًا شَرْقِيًّا16
またこの啓典の中で,マルヤム(の物語)を述べよ。かの女が家族から離れて東の場に引き籠った時,
فَاتَّخَذَتْ مِنْ دُونِهِمْ حِجَابًا فَأَرْسَلْنَا إِلَيْهَا رُوحَنَا فَتَمَثَّلَ لَهَا بَشَرًا سَوِيًّا17
かの女はかれらから(身をさえぎる)幕を垂れた。その時われはわが聖霊(ジブリール)を遣わした。かれは1人の立派な人間の姿でかの女の前に現われた。
قَالَتْ إِنِّي أَعُوذُ بِالرَّحْمَـٰنِ مِنْكَ إِنْ كُنْتَ تَقِيًّا18
かの女は言った。「あなた(ジブリール)に対して慈悲深き御方の御加護を祈ります。もしあなたが,主を畏れておられるならば(わたしに近寄らないで下さい)。」
قَالَ إِنَّمَا أَنَا رَسُولُ رَبِّكِ لِأَهَبَ لَكِ غُلَامًا زَكِيًّا19
かれは言った。「わたしは,あなたの主から遣わされた使徒に過ぎない。清純な息子をあなたに授ける(知らせの)ために。」
قَالَتْ أَنَّىٰ يَكُونُ لِي غُلَامٌ وَلَمْ يَمْسَسْنِي بَشَرٌ وَلَمْ أَكُ بَغِيًّا20
かの女は言った。「未だ且つて,誰もわたしに触れません。またわたしは不貞でもありません。どうしてわたしに息子がありましょう。」
قَالَ كَذَٰلِكِ قَالَ رَبُّكِ هُوَ عَلَيَّ هَيِّنٌ ۖ وَلِنَجْعَلَهُ آيَةً لِلنَّاسِ وَرَحْمَةً مِنَّا ۚ وَكَانَ أَمْرًا مَقْضِيًّا21
かれ(天使)は言った。「そうであろう。(だが)あなたの主は仰せられる。『それはわれにとっては容易なことである。それでかれ(息子)を入びとへの印となし,またわれからの慈悲とするためである。(これは既に)アッラーの御命令があったことである。』」
فَحَمَلَتْهُ فَانْتَبَذَتْ بِهِ مَكَانًا قَصِيًّا22
こうして,かの女はかれ(息子)を妊娠したので,遠い所に引き籠った。
فَأَجَاءَهَا الْمَخَاضُ إِلَىٰ جِذْعِ النَّخْلَةِ قَالَتْ يَا لَيْتَنِي مِتُّ قَبْلَ هَـٰذَا وَكُنْتُ نَسْيًا مَنْسِيًّا23
だが分娩の苦痛のために,ナツメヤシの幹に赴き,かの女は言った。「ああ,こんなことになる前に,わたしは亡きものになり,忘却の中に消えたかった。」
فَنَادَاهَا مِنْ تَحْتِهَا أَلَّا تَحْزَنِي قَدْ جَعَلَ رَبُّكِ تَحْتَكِ سَرِيًّا24
その時(声があって)かの女を下の方から呼んだ。「悲しんではならない。主はあなたの足もとに小川を創られた。
وَهُزِّي إِلَيْكِ بِجِذْعِ النَّخْلَةِ تُسَاقِطْ عَلَيْكِ رُطَبًا جَنِيًّا25
またナツメヤシの幹を,あなたの方に揺り動かせ。新鮮な熟したナツメヤシの実が落ちてこよう。