アル・アナーム
وَلَوْ أَنَّنَا نَزَّلْنَا إِلَيْهِمُ الْمَلَائِكَةَ وَكَلَّمَهُمُ الْمَوْتَىٰ وَحَشَرْنَا عَلَيْهِمْ كُلَّ شَيْءٍ قُبُلًا مَا كَانُوا لِيُؤْمِنُوا إِلَّا أَنْ يَشَاءَ اللَّهُ وَلَـٰكِنَّ أَكْثَرَهُمْ يَجْهَلُونَ111
仮令われが,かれらの天使たちを遣し,また死者がかれらに語りかけ,また凡てのものを,かれらの前に集めても,もしアッラーが御好みにならない限り,かれらはきつと信じないであろう。全くかれらの多くは,無知なのである。
وَكَذَٰلِكَ جَعَلْنَا لِكُلِّ نَبِيٍّ عَدُوًّا شَيَاطِينَ الْإِنْسِ وَالْجِنِّ يُوحِي بَعْضُهُمْ إِلَىٰ بَعْضٍ زُخْرُفَ الْقَوْلِ غُرُورًا ۚ وَلَوْ شَاءَ رَبُّكَ مَا فَعَلُوهُ ۖ فَذَرْهُمْ وَمَا يَفْتَرُونَ112
こうしてわれは,どの預言者にも一つの敵を作った。それは,人間とジンの中の悪魔であって,そのある者が他を感激させ,はなやかな言葉で,唆し騙している。主の御心でないならば,かれらはそうしなかったであろう。だからかれらのその虚偽を放って置きなさい。
وَلِتَصْغَىٰ إِلَيْهِ أَفْئِدَةُ الَّذِينَ لَا يُؤْمِنُونَ بِالْآخِرَةِ وَلِيَرْضَوْهُ وَلِيَقْتَرِفُوا مَا هُمْ مُقْتَرِفُونَ113
来世を信じない者の心をそれに傾かせてかれらをそれで喜ばせ,その行っていることに満足させるためである。
أَفَغَيْرَ اللَّهِ أَبْتَغِي حَكَمًا وَهُوَ الَّذِي أَنْزَلَ إِلَيْكُمُ الْكِتَابَ مُفَصَّلًا ۚ وَالَّذِينَ آتَيْنَاهُمُ الْكِتَابَ يَعْلَمُونَ أَنَّهُ مُنَزَّلٌ مِنْ رَبِّكَ بِالْحَقِّ ۖ فَلَا تَكُونَنَّ مِنَ الْمُمْتَرِينَ114
(言ってやるがいい。)「どうしてわたしがアッラー以外に裁きを求めようか。かれこそは,詳細に説明された啓典を,あなたがたに下された方ではないか。」われが啓典を授けた程の者ならば,それがあなたの主から,真理によって下されたことを知っている。だからあなたは疑う者の仲間になってはならない。
وَتَمَّتْ كَلِمَتُ رَبِّكَ صِدْقًا وَعَدْلًا ۚ لَا مُبَدِّلَ لِكَلِمَاتِهِ ۚ وَهُوَ السَّمِيعُ الْعَلِيمُ115
あなたの主の言葉は,真実公正に完成された。誰もかれの言葉を変えることは出来ない。かれは全聴にして全知であられる。
وَإِنْ تُطِعْ أَكْثَرَ مَنْ فِي الْأَرْضِ يُضِلُّوكَ عَنْ سَبِيلِ اللَّهِ ۚ إِنْ يَتَّبِعُونَ إِلَّا الظَّنَّ وَإِنْ هُمْ إِلَّا يَخْرُصُونَ116
あなたがもし地上の多くの者に従うならば,かれらはアッラーの道からあなたを迷わすであろう。かれらは只臆測に任せて,虚言をこととするに過ぎない。
إِنَّ رَبَّكَ هُوَ أَعْلَمُ مَنْ يَضِلُّ عَنْ سَبِيلِهِ ۖ وَهُوَ أَعْلَمُ بِالْمُهْتَدِينَ117
本当にあなたの主は,かれの道から迷い去った者を最もよく知っておられる。また正しく導かれた者を最もよく知っておられる。
فَكُلُوا مِمَّا ذُكِرَ اسْمُ اللَّهِ عَلَيْهِ إِنْ كُنْتُمْ بِآيَاتِهِ مُؤْمِنِينَ118
だからあなたがたが,もしアッラーの啓示を信じるならば,かれの御名が唱えられたものを食べなさい。
وَمَا لَكُمْ أَلَّا تَأْكُلُوا مِمَّا ذُكِرَ اسْمُ اللَّهِ عَلَيْهِ وَقَدْ فَصَّلَ لَكُمْ مَا حَرَّمَ عَلَيْكُمْ إِلَّا مَا اضْطُرِرْتُمْ إِلَيْهِ ۗ وَإِنَّ كَثِيرًا لَيُضِلُّونَ بِأَهْوَائِهِمْ بِغَيْرِ عِلْمٍ ۗ إِنَّ رَبَّكَ هُوَ أَعْلَمُ بِالْمُعْتَدِينَ119
あなたがたは,アッラーの御名が唱えられたものを,どうして食べないのか。かれは,あなたがたに禁じられるものを,明示されたではないか。だが,止むを得ない場合は別である。本当に多くの者は,知識もなく気まぐれから(人びとを)迷わす。あなたの主は,反逆者を最もよく知っておられる。
وَذَرُوا ظَاهِرَ الْإِثْمِ وَبَاطِنَهُ ۚ إِنَّ الَّذِينَ يَكْسِبُونَ الْإِثْمَ سَيُجْزَوْنَ بِمَا كَانُوا يَقْتَرِفُونَ120
公然の罪も内密の罪も避けなさい。本当に罪を犯した者は,その行ったことに対し報いを受けるであろう。
وَلَا تَأْكُلُوا مِمَّا لَمْ يُذْكَرِ اسْمُ اللَّهِ عَلَيْهِ وَإِنَّهُ لَفِسْقٌ ۗ وَإِنَّ الشَّيَاطِينَ لَيُوحُونَ إِلَىٰ أَوْلِيَائِهِمْ لِيُجَادِلُوكُمْ ۖ وَإِنْ أَطَعْتُمُوهُمْ إِنَّكُمْ لَمُشْرِكُونَ121
またアッラーの御名が唱えられなかったものを食べてはならない。それは実に不義な行いである。しかし悪魔は,自分の友を唆し,あなたがたと議論させようとする。あなたがたがもしかれらに従うならば,あなたがたは正に多神教徒である。
أَوَمَنْ كَانَ مَيْتًا فَأَحْيَيْنَاهُ وَجَعَلْنَا لَهُ نُورًا يَمْشِي بِهِ فِي النَّاسِ كَمَنْ مَثَلُهُ فِي الظُّلُمَاتِ لَيْسَ بِخَارِجٍ مِنْهَا ۚ كَذَٰلِكَ زُيِّنَ لِلْكَافِرِينَ مَا كَانُوا يَعْمَلُونَ122
死んでいたものに,われは生命を授け,また光明を与える。これによって人びとの間を往来する者と,暗黒の中にあってそれから出られないような者と同じであろうか。このように不信者には,その行っていたことを立派だと思わせるのである。
وَكَذَٰلِكَ جَعَلْنَا فِي كُلِّ قَرْيَةٍ أَكَابِرَ مُجْرِمِيهَا لِيَمْكُرُوا فِيهَا ۖ وَمَا يَمْكُرُونَ إِلَّا بِأَنْفُسِهِمْ وَمَا يَشْعُرُونَ123
このようにわれは,それぞれの町の有力者を罪深い者にして,そこで策謀させる。しかしかれらは自分自身に対して策謀するだけで,それに自ら気付かない。
وَإِذَا جَاءَتْهُمْ آيَةٌ قَالُوا لَنْ نُؤْمِنَ حَتَّىٰ نُؤْتَىٰ مِثْلَ مَا أُوتِيَ رُسُلُ اللَّهِ ۘ اللَّهُ أَعْلَمُ حَيْثُ يَجْعَلُ رِسَالَتَهُ ۗ سَيُصِيبُ الَّذِينَ أَجْرَمُوا صَغَارٌ عِنْدَ اللَّهِ وَعَذَابٌ شَدِيدٌ بِمَا كَانُوا يَمْكُرُونَ124
(主から)一つの印がかれらにやって来れば,「アッラーの使徒たちに与えられたようなものが,わたしたちに下るまでは信じないであろう。」と言う。アッラーは何処で(また如何に)かれの使命を果たすべきかを,最もよく知っておられる。やがて罪深い者は,その(しでかした)凡ての策謀に対して,アッラーの御許で屈辱と痛烈な刑を受けるであろう。
فَمَنْ يُرِدِ اللَّهُ أَنْ يَهْدِيَهُ يَشْرَحْ صَدْرَهُ لِلْإِسْلَامِ ۖ وَمَنْ يُرِدْ أَنْ يُضِلَّهُ يَجْعَلْ صَدْرَهُ ضَيِّقًا حَرَجًا كَأَنَّمَا يَصَّعَّدُ فِي السَّمَاءِ ۚ كَذَٰلِكَ يَجْعَلُ اللَّهُ الرِّجْسَ عَلَى الَّذِينَ لَا يُؤْمِنُونَ125
凡そアッラーが導こうと御望みになった者は,イスラームのためにその胸を開く。だが迷うに任せようと御考えになった者には,その胸をまるで天に登ろうとするかのようにしめせばめる(もがき苦しめる)。このようにアッラーは,信仰を拒否する者に恥辱を加えられた。
وَهَـٰذَا صِرَاطُ رَبِّكَ مُسْتَقِيمًا ۗ قَدْ فَصَّلْنَا الْآيَاتِ لِقَوْمٍ يَذَّكَّرُونَ126
これがあなたの主の道,正しい道である。われは訓戒を受け入れようとする民のために,印を詳細に示す。
لَهُمْ دَارُ السَّلَامِ عِنْدَ رَبِّهِمْ ۖ وَهُوَ وَلِيُّهُمْ بِمَا كَانُوا يَعْمَلُونَ127
かれらは,主の御許に平安な住まいを得る。かれは,かれらの行った(正しい行いの)ためにかれらの保護者となられる。
وَيَوْمَ يَحْشُرُهُمْ جَمِيعًا يَا مَعْشَرَ الْجِنِّ قَدِ اسْتَكْثَرْتُمْ مِنَ الْإِنْسِ ۖ وَقَالَ أَوْلِيَاؤُهُمْ مِنَ الْإِنْسِ رَبَّنَا اسْتَمْتَعَ بَعْضُنَا بِبَعْضٍ وَبَلَغْنَا أَجَلَنَا الَّذِي أَجَّلْتَ لَنَا ۚ قَالَ النَّارُ مَثْوَاكُمْ خَالِدِينَ فِيهَا إِلَّا مَا شَاءَ اللَّهُ ۗ إِنَّ رَبَّكَ حَكِيمٌ عَلِيمٌ128
かれが一斉にかれらを召集される日,(主は)「ジンの方々よ,あなたがたは人びとの多くを惑わせたのである。」(と仰せられよう。)人びとの中,かれら(ジン)の友がいて言う。「主よ,あたしたちは互いに利用し合いましたが,あなたがわたしたちに定められた期限が到来しました。」かれは仰せられよう。「業火があなたがたの住まいである。」アッラーの御好みになる限り,永遠にその中に住むであろう。本当にあなたの主は英明にして全知であられる。
وَكَذَٰلِكَ نُوَلِّي بَعْضَ الظَّالِمِينَ بَعْضًا بِمَا كَانُوا يَكْسِبُونَ129
このようにわれは,かれらが行ったことのために,不義の徒は不義の徒同志で近寄らせる。
يَا مَعْشَرَ الْجِنِّ وَالْإِنْسِ أَلَمْ يَأْتِكُمْ رُسُلٌ مِنْكُمْ يَقُصُّونَ عَلَيْكُمْ آيَاتِي وَيُنْذِرُونَكُمْ لِقَاءَ يَوْمِكُمْ هَـٰذَا ۚ قَالُوا شَهِدْنَا عَلَىٰ أَنْفُسِنَا ۖ وَغَرَّتْهُمُ الْحَيَاةُ الدُّنْيَا وَشَهِدُوا عَلَىٰ أَنْفُسِهِمْ أَنَّهُمْ كَانُوا كَافِرِينَ130
「ジンと人間の方々よ,あなたがたの間から挙られた使徒たちが,あなたがたの許に来て,わが印をあなたがたのもとに復唱し,あなたがたのこの日の会見に就いて,警告しなかったのか。」かれらは申し上げるであろう。「わたしたちは,自分の意に反し証言いたします。」本当に現世の生活がかられを感わせ,自分が不信者であったことを,自分の意に反して証言する。
ذَٰلِكَ أَنْ لَمْ يَكُنْ رَبُّكَ مُهْلِكَ الْقُرَىٰ بِظُلْمٍ وَأَهْلُهَا غَافِلُونَ131
これはあなたの主がその民の(犯した不義を自ら)意識しない中に,乱りに町を滅ぼされないためである。
وَلِكُلٍّ دَرَجَاتٌ مِمَّا عَمِلُوا ۚ وَمَا رَبُّكَ بِغَافِلٍ عَمَّا يَعْمَلُونَ132
各人にはその行ったことに応じて,種々の等級があろう。あなたの主は,かれらの行ったことを見逃しになさらない。
وَرَبُّكَ الْغَنِيُّ ذُو الرَّحْمَةِ ۚ إِنْ يَشَأْ يُذْهِبْكُمْ وَيَسْتَخْلِفْ مِنْ بَعْدِكُمْ مَا يَشَاءُ كَمَا أَنْشَأَكُمْ مِنْ ذُرِّيَّةِ قَوْمٍ آخَرِينَ133
あなたの主は満ち足られる御方,慈悲深き主であられる。もしかれが御好みになられるならば,あなたがたを追放することも出采,御心に適う者にあなたがたを継がせられる。丁度外の民の子孫から,あなたがたを興されたように。
إِنَّ مَا تُوعَدُونَ لَآتٍ ۖ وَمَا أَنْتُمْ بِمُعْجِزِينَ134
本当にあなたがたに約束されたことは必ず到来する。あなたがたは(それを)逃がれることは出来ない。
قُلْ يَا قَوْمِ اعْمَلُوا عَلَىٰ مَكَانَتِكُمْ إِنِّي عَامِلٌ ۖ فَسَوْفَ تَعْلَمُونَ مَنْ تَكُونُ لَهُ عَاقِبَةُ الدَّارِ ۗ إِنَّهُ لَا يُفْلِحُ الظَّالِمُونَ135
言ってやるがいい。「わたしの人びとよ,あなたがたの仕方で行いなさい。わたしもまた(わたしの務めを)行う。あなたがたはこの終局の住まいが,誰のものかをやがて知ろう。不義を行う者は,決して成功しないであろう。」
وَجَعَلُوا لِلَّهِ مِمَّا ذَرَأَ مِنَ الْحَرْثِ وَالْأَنْعَامِ نَصِيبًا فَقَالُوا هَـٰذَا لِلَّهِ بِزَعْمِهِمْ وَهَـٰذَا لِشُرَكَائِنَا ۖ فَمَا كَانَ لِشُرَكَائِهِمْ فَلَا يَصِلُ إِلَى اللَّهِ ۖ وَمَا كَانَ لِلَّهِ فَهُوَ يَصِلُ إِلَىٰ شُرَكَائِهِمْ ۗ سَاءَ مَا يَحْكُمُونَ136
かれらは,アッラーが創られた穀物と家畜の一部分を勝手な空想によって(供えて),「これはアッラーに,そしてこれはわたしたちの神々に。」と言う。だが神々に供えたものはアッラーには達しない。そしてアッラーに供えたものが,かれらの神々に達する。かれらの判断こそ災いである。
وَكَذَٰلِكَ زَيَّنَ لِكَثِيرٍ مِنَ الْمُشْرِكِينَ قَتْلَ أَوْلَادِهِمْ شُرَكَاؤُهُمْ لِيُرْدُوهُمْ وَلِيَلْبِسُوا عَلَيْهِمْ دِينَهُمْ ۖ وَلَوْ شَاءَ اللَّهُ مَا فَعَلُوهُ ۖ فَذَرْهُمْ وَمَا يَفْتَرُونَ137
こうしてかれらの神々は,多くの多神教徒を魅了してかれらの子女を殺すようにしむけた。これはかれらを滅ぼし,また人々の宗教を混乱させるためである。もしアッラーの御心があれば,かれらはそうしなかったであろう。だからかれらとその捏造したものを放って置け。
وَقَالُوا هَـٰذِهِ أَنْعَامٌ وَحَرْثٌ حِجْرٌ لَا يَطْعَمُهَا إِلَّا مَنْ نَشَاءُ بِزَعْمِهِمْ وَأَنْعَامٌ حُرِّمَتْ ظُهُورُهَا وَأَنْعَامٌ لَا يَذْكُرُونَ اسْمَ اللَّهِ عَلَيْهَا افْتِرَاءً عَلَيْهِ ۚ سَيَجْزِيهِمْ بِمَا كَانُوا يَفْتَرُونَ138
またかれらは「これこれの家畜と穀物は禁じられる。わたしたちが許す者の外に,誰も食べることは出来ない。」などとかれらの勝手な決断により,背中が禁忌になっている家蓄,また(屠殺にさいし)それに,アッラーの御名を唱えない家畜などと(捏造して)言う。(これらは凡て)かれに対する捏造である。かれはこの捏造に照らし,やがて報われるであろう。
وَقَالُوا مَا فِي بُطُونِ هَـٰذِهِ الْأَنْعَامِ خَالِصَةٌ لِذُكُورِنَا وَمُحَرَّمٌ عَلَىٰ أَزْوَاجِنَا ۖ وَإِنْ يَكُنْ مَيْتَةً فَهُمْ فِيهِ شُرَكَاءُ ۚ سَيَجْزِيهِمْ وَصْفَهُمْ ۚ إِنَّهُ حَكِيمٌ عَلِيمٌ139
またかれらは言う。「この家畜の胎内にあるものは,わたしたち男の専用であり,わたしたちの女には禁じられる。だが死産の場合は,誰でも皆それにあずかれる。」かれは,かれらの虚構に対しやがて報われる。本当にかれは英明にして全知であられる。
قَدْ خَسِرَ الَّذِينَ قَتَلُوا أَوْلَادَهُمْ سَفَهًا بِغَيْرِ عِلْمٍ وَحَرَّمُوا مَا رَزَقَهُمُ اللَّهُ افْتِرَاءً عَلَى اللَّهِ ۚ قَدْ ضَلُّوا وَمَا كَانُوا مُهْتَدِينَ140
無知のため愚かにもその女児を殺し,アッラーがかれらに与えられたものを禁じ,またアッラーに対し捏造する者たちは,正に失敗者である。かれらは確かに迷った者で,正しく導かれない。
وَهُوَ الَّذِي أَنْشَأَ جَنَّاتٍ مَعْرُوشَاتٍ وَغَيْرَ مَعْرُوشَاتٍ وَالنَّخْلَ وَالزَّرْعَ مُخْتَلِفًا أُكُلُهُ وَالزَّيْتُونَ وَالرُّمَّانَ مُتَشَابِهًا وَغَيْرَ مُتَشَابِهٍ ۚ كُلُوا مِنْ ثَمَرِهِ إِذَا أَثْمَرَ وَآتُوا حَقَّهُ يَوْمَ حَصَادِهِ ۖ وَلَا تُسْرِفُوا ۚ إِنَّهُ لَا يُحِبُّ الْمُسْرِفِينَ141
かれこそは棚を備えた果樹園,また棚のない果樹園を創られる御方であり,またナツメヤシや様々な味の異なった農作物,とオリーブ,ザクロその外同類異種のものをも(創られた御方である)。実が熟したならば食べなさい。収穫の日には,定めの喜捨を供出し,浪費してはならない。本当にかれは,浪費の徒を御愛でになられない。
وَمِنَ الْأَنْعَامِ حَمُولَةً وَفَرْشًا ۚ كُلُوا مِمَّا رَزَقَكُمُ اللَّهُ وَلَا تَتَّبِعُوا خُطُوَاتِ الشَّيْطَانِ ۚ إِنَّهُ لَكُمْ عَدُوٌّ مُبِينٌ142
また,家畜のあるものは荷を負い,あるものは食用である。アッラーがあなたがたに与えるものを食べ,悪魔の歩みに従ってはならない。かれはあなたがたにとって,公然の敵である。
ثَمَانِيَةَ أَزْوَاجٍ ۖ مِنَ الضَّأْنِ اثْنَيْنِ وَمِنَ الْمَعْزِ اثْنَيْنِ ۗ قُلْ آلذَّكَرَيْنِ حَرَّمَ أَمِ الْأُنْثَيَيْنِ أَمَّا اشْتَمَلَتْ عَلَيْهِ أَرْحَامُ الْأُنْثَيَيْنِ ۖ نَبِّئُونِي بِعِلْمٍ إِنْ كُنْتُمْ صَادِقِينَ143
羊2対とヤギ2対からなる8頭の雌雄。言ってやるがいい。「かれは,2雄または2雌,と2雌の胎内にあるものの,どれを禁じられたのか。あなたがたが誠実ならは,知っているところをわたしに告げなさい。」
وَمِنَ الْإِبِلِ اثْنَيْنِ وَمِنَ الْبَقَرِ اثْنَيْنِ ۗ قُلْ آلذَّكَرَيْنِ حَرَّمَ أَمِ الْأُنْثَيَيْنِ أَمَّا اشْتَمَلَتْ عَلَيْهِ أَرْحَامُ الْأُنْثَيَيْنِ ۖ أَمْ كُنْتُمْ شُهَدَاءَ إِذْ وَصَّاكُمُ اللَّهُ بِهَـٰذَا ۚ فَمَنْ أَظْلَمُ مِمَّنِ افْتَرَىٰ عَلَى اللَّهِ كَذِبًا لِيُضِلَّ النَّاسَ بِغَيْرِ عِلْمٍ ۗ إِنَّ اللَّهَ لَا يَهْدِي الْقَوْمَ الظَّالِمِينَ144
また,ラクダ2対と牛2対。言ってやるがいい。「かれは,2雄または2雌,と2雌の胎内にあるもののどれを,禁じられたのか。アッラーがこれをあなたがたに命じられる時,あなたがたはその場にいたのか。知識もなく人を迷わせるために,アッラーに就いて虚偽を捏造するより,甚たしい不義があろうか。誠にアッラーは,不義を行う民を導かれない。」
قُلْ لَا أَجِدُ فِي مَا أُوحِيَ إِلَيَّ مُحَرَّمًا عَلَىٰ طَاعِمٍ يَطْعَمُهُ إِلَّا أَنْ يَكُونَ مَيْتَةً أَوْ دَمًا مَسْفُوحًا أَوْ لَحْمَ خِنْزِيرٍ فَإِنَّهُ رِجْسٌ أَوْ فِسْقًا أُهِلَّ لِغَيْرِ اللَّهِ بِهِ ۚ فَمَنِ اضْطُرَّ غَيْرَ بَاغٍ وَلَا عَادٍ فَإِنَّ رَبَّكَ غَفُورٌ رَحِيمٌ145
言ってやるがいい。「わたしに啓示されたものには,食べ度いのに食べることを禁じられたものはない。只死肉,流れ出る血,豚肉――それは不浄である――とアッラー以外の名が唱えられたものは除かれる。だが止むを得ず,また違犯の意思なく法を越えないものは,本当にあなたの主は,寛容にして慈悲深くあられる。」
وَعَلَى الَّذِينَ هَادُوا حَرَّمْنَا كُلَّ ذِي ظُفُرٍ ۖ وَمِنَ الْبَقَرِ وَالْغَنَمِ حَرَّمْنَا عَلَيْهِمْ شُحُومَهُمَا إِلَّا مَا حَمَلَتْ ظُهُورُهُمَا أَوِ الْحَوَايَا أَوْ مَا اخْتَلَطَ بِعَظْمٍ ۚ ذَٰلِكَ جَزَيْنَاهُمْ بِبَغْيِهِمْ ۖ وَإِنَّا لَصَادِقُونَ146
ユダヤの(法に従う)者には,われは凡ての爪のある動物を禁じ,また牛と羊は,その脂を禁じた。只背と内臓に付着し,または骨に連なった脂は,別である。これは,かれらの不正行為に対する応報で,われは本当に真実である。
فَإِنْ كَذَّبُوكَ فَقُلْ رَبُّكُمْ ذُو رَحْمَةٍ وَاسِعَةٍ وَلَا يُرَدُّ بَأْسُهُ عَنِ الْقَوْمِ الْمُجْرِمِينَ147
それでもかれらがあなたを虚言者であるとするなら,言ってやるがいい。「あなたがたの主は慈悲深い主で,凡てを包容なされる方である。だが不義の民は,かれの懲罰は免れられない。」
سَيَقُولُ الَّذِينَ أَشْرَكُوا لَوْ شَاءَ اللَّهُ مَا أَشْرَكْنَا وَلَا آبَاؤُنَا وَلَا حَرَّمْنَا مِنْ شَيْءٍ ۚ كَذَٰلِكَ كَذَّبَ الَّذِينَ مِنْ قَبْلِهِمْ حَتَّىٰ ذَاقُوا بَأْسَنَا ۗ قُلْ هَلْ عِنْدَكُمْ مِنْ عِلْمٍ فَتُخْرِجُوهُ لَنَا ۖ إِنْ تَتَّبِعُونَ إِلَّا الظَّنَّ وَإِنْ أَنْتُمْ إِلَّا تَخْرُصُونَ148
(アッラー以外に神々を) 崇拝する者は言うであろう。「アッラーが御好みになられるならば,わたしたちも祖先も(他の神々を)崇めず,また何も禁じなかったであろうに。」このようにかれら以前の者も,われの懲罰を味わうまでは(真理)を信しなかった。言ってやるがいい。「あなたがたは,果たして知識があるのか。それならわたしたちに現わせ。あなたがたは,只臆測に従うだけ。本当にあなたがたは,真実ではないことを言うに過ぎない。」
قُلْ فَلِلَّهِ الْحُجَّةُ الْبَالِغَةُ ۖ فَلَوْ شَاءَ لَهَدَاكُمْ أَجْمَعِينَ149
言ってやるがいい。「最後の論証は,アッラーに属する。かれが御好みになられるならば,あなたがたを一勢に導かれたであろう。」
قُلْ هَلُمَّ شُهَدَاءَكُمُ الَّذِينَ يَشْهَدُونَ أَنَّ اللَّهَ حَرَّمَ هَـٰذَا ۖ فَإِنْ شَهِدُوا فَلَا تَشْهَدْ مَعَهُمْ ۚ وَلَا تَتَّبِعْ أَهْوَاءَ الَّذِينَ كَذَّبُوا بِآيَاتِنَا وَالَّذِينَ لَا يُؤْمِنُونَ بِالْآخِرَةِ وَهُمْ بِرَبِّهِمْ يَعْدِلُونَ150
言ってやろがいい。「アッラーはこれを禁じられたと証言出来る,あなたがたの証人を連れて来なさい。」仮令かれらが証言しても,あなたはかれらと一緒に証言してはならない。またわが印を偽りであるとする者の,虚しい要望に従ってはならない。かれらは来世を信じないで,またかれらの主に同位のものを配する者たちである。
قُلْ تَعَالَوْا أَتْلُ مَا حَرَّمَ رَبُّكُمْ عَلَيْكُمْ ۖ أَلَّا تُشْرِكُوا بِهِ شَيْئًا ۖ وَبِالْوَالِدَيْنِ إِحْسَانًا ۖ وَلَا تَقْتُلُوا أَوْلَادَكُمْ مِنْ إِمْلَاقٍ ۖ نَحْنُ نَرْزُقُكُمْ وَإِيَّاهُمْ ۖ وَلَا تَقْرَبُوا الْفَوَاحِشَ مَا ظَهَرَ مِنْهَا وَمَا بَطَنَ ۖ وَلَا تَقْتُلُوا النَّفْسَ الَّتِي حَرَّمَ اللَّهُ إِلَّا بِالْحَقِّ ۚ ذَٰلِكُمْ وَصَّاكُمْ بِهِ لَعَلَّكُمْ تَعْقِلُونَ151
言ってやるがいい。「さて,わたしは主があなたがたに対し禁じられたことを,読誦しよう。かれに何ものでも同位者を配してはならない。両親に孝行であれ。困窮するのを恐れて,あなたがたの子女を殺してはならない。われは,あなたがたもかれらをも養うものである。また公けでも隠れていても,醜い事に近付いてはならない。また,アッラーが神聖化された生命を,権利のため以外には殺害してはならない。このようにかれは命じられた。恐らくあなたがたは理解するであろう。
وَلَا تَقْرَبُوا مَالَ الْيَتِيمِ إِلَّا بِالَّتِي هِيَ أَحْسَنُ حَتَّىٰ يَبْلُغَ أَشُدَّهُ ۖ وَأَوْفُوا الْكَيْلَ وَالْمِيزَانَ بِالْقِسْطِ ۖ لَا نُكَلِّفُ نَفْسًا إِلَّا وُسْعَهَا ۖ وَإِذَا قُلْتُمْ فَاعْدِلُوا وَلَوْ كَانَ ذَا قُرْبَىٰ ۖ وَبِعَهْدِ اللَّهِ أَوْفُوا ۚ ذَٰلِكُمْ وَصَّاكُمْ بِهِ لَعَلَّكُمْ تَذَكَّرُونَ152
孤児が成人に達するまでは,最善の管理のための外,あなたがたはその財産に近付いてはならない。また十分に計上し正しく量れ。われは誰にもその能力以上のことを負わせない。またあなたがたが発言する時は,仮令近親(の間柄)でも公正であれ。そしてアッラーとの約束を果しなさい。このようにかれは命じられた。恐らくあなたがたは留意するであろう。
وَأَنَّ هَـٰذَا صِرَاطِي مُسْتَقِيمًا فَاتَّبِعُوهُ ۖ وَلَا تَتَّبِعُوا السُّبُلَ فَتَفَرَّقَ بِكُمْ عَنْ سَبِيلِهِ ۚ ذَٰلِكُمْ وَصَّاكُمْ بِهِ لَعَلَّكُمْ تَتَّقُونَ153
本当にこれはわれの正しい道である,それに従いなさい。(外の)道に従ってはならない。それらはかれの道からあなたがたを離れ去らせよう。このようにかれは命じられる。恐らくあなたがたは主を畏れるであろう。」
ثُمَّ آتَيْنَا مُوسَى الْكِتَابَ تَمَامًا عَلَى الَّذِي أَحْسَنَ وَتَفْصِيلًا لِكُلِّ شَيْءٍ وَهُدًى وَرَحْمَةً لَعَلَّهُمْ بِلِقَاءِ رَبِّهِمْ يُؤْمِنُونَ154
以前,われはムーサーに啓典を授けた。これは善行をする者に対する完全,無欠の啓典であり,凡てのことを詳細に解明し,導きであり, 慈悲である。恐らくかれらは,主との会見を信じるであろう。
وَهَـٰذَا كِتَابٌ أَنْزَلْنَاهُ مُبَارَكٌ فَاتَّبِعُوهُ وَاتَّقُوا لَعَلَّكُمْ تُرْحَمُونَ155
だがこれ(クルアーン)は,われが下した祝福された啓典である。だからこれに従って,あなたがたの義務を尽くしなさい。恐らくあなたは,慈悲に浴するであろう。
أَنْ تَقُولُوا إِنَّمَا أُنْزِلَ الْكِتَابُ عَلَىٰ طَائِفَتَيْنِ مِنْ قَبْلِنَا وَإِنْ كُنَّا عَنْ دِرَاسَتِهِمْ لَغَافِلِينَ156
(これは,)あなたがたに,「啓典はわたしたち以前に,唯二つの宗派にだけ下された。わたしたちはかれらの読むものに,不案内であった」と言わせないためである。
أَوْ تَقُولُوا لَوْ أَنَّا أُنْزِلَ عَلَيْنَا الْكِتَابُ لَكُنَّا أَهْدَىٰ مِنْهُمْ ۚ فَقَدْ جَاءَكُمْ بَيِّنَةٌ مِنْ رَبِّكُمْ وَهُدًى وَرَحْمَةٌ ۚ فَمَنْ أَظْلَمُ مِمَّنْ كَذَّبَ بِآيَاتِ اللَّهِ وَصَدَفَ عَنْهَا ۗ سَنَجْزِي الَّذِينَ يَصْدِفُونَ عَنْ آيَاتِنَا سُوءَ الْعَذَابِ بِمَا كَانُوا يَصْدِفُونَ157
またあなたがたに「もしわたしたちに啓典が下されたならば,きっとかれらよりもよく導きに従ったであろうに。」と言わせないためである。今あなたがたの主からの明証,と導きと慈悲とが正に(湾?)されている。それでもアッラーの印を偽りであるとして,それから背き去る以上に甚しい不義の徒があろうか。わが印から背き去った者を,われはやがて背き去ったことのために,厳しい懲罰で報いるであろう。
هَلْ يَنْظُرُونَ إِلَّا أَنْ تَأْتِيَهُمُ الْمَلَائِكَةُ أَوْ يَأْتِيَ رَبُّكَ أَوْ يَأْتِيَ بَعْضُ آيَاتِ رَبِّكَ ۗ يَوْمَ يَأْتِي بَعْضُ آيَاتِ رَبِّكَ لَا يَنْفَعُ نَفْسًا إِيمَانُهَا لَمْ تَكُنْ آمَنَتْ مِنْ قَبْلُ أَوْ كَسَبَتْ فِي إِيمَانِهَا خَيْرًا ۗ قُلِ انْتَظِرُوا إِنَّا مُنْتَظِرُونَ158
かれらは,只天使たちがやって来るのを待つのか,または主が隠まれるか,または(審判の日の接近を知る)主の印の一部がやって来るのを待つばかりである。主の何らかの印がやって来る日,前もって信仰して善行に励んでいない限り,かれらの信仰が魂に役だつことはないであろう。言ってやるがいい。「あなたがたは待て。わたしも待つものである。」
إِنَّ الَّذِينَ فَرَّقُوا دِينَهُمْ وَكَانُوا شِيَعًا لَسْتَ مِنْهُمْ فِي شَيْءٍ ۚ إِنَّمَا أَمْرُهُمْ إِلَى اللَّهِ ثُمَّ يُنَبِّئُهُمْ بِمَا كَانُوا يَفْعَلُونَ159
かれらの教えから離れて分派した者に就いては,あなたは少しも関わりはない。かれらのことは,アッラーの御手に委ねよ。かれはその行ったことを,間もなくかれらに告げ知らせられる。
مَنْ جَاءَ بِالْحَسَنَةِ فَلَهُ عَشْرُ أَمْثَالِهَا ۖ وَمَنْ جَاءَ بِالسَّيِّئَةِ فَلَا يُجْزَىٰ إِلَّا مِثْلَهَا وَهُمْ لَا يُظْلَمُونَ160
善いことを行う者は,それと同じようなものを10倍にして頂ける。だが悪いことを行う者には,それと等しい応報だけで,かれらは不当に扱われることはないであろう。
قُلْ إِنَّنِي هَدَانِي رَبِّي إِلَىٰ صِرَاطٍ مُسْتَقِيمٍ دِينًا قِيَمًا مِلَّةَ إِبْرَاهِيمَ حَنِيفًا ۚ وَمَا كَانَ مِنَ الْمُشْرِكِينَ161
言ってやるがいい。「本当に主は,わたしを正しい道,真実の教え,純正なイブラーヒームの信仰に導かれる。かれは多神教徒の仲間ではなかった。」
قُلْ إِنَّ صَلَاتِي وَنُسُكِي وَمَحْيَايَ وَمَمَاتِي لِلَّهِ رَبِّ الْعَالَمِينَ162
(祈って) 言ってやるがいい。「わたしの礼拝と奉仕,わたしの生と死は,万有の主,アッラーのためである。
لَا شَرِيكَ لَهُ ۖ وَبِذَٰلِكَ أُمِرْتُ وَأَنَا أَوَّلُ الْمُسْلِمِينَ163
かれに同位者はありません。このように命じられたわたしは,ムスリムの先き駆けである。」
قُلْ أَغَيْرَ اللَّهِ أَبْغِي رَبًّا وَهُوَ رَبُّ كُلِّ شَيْءٍ ۚ وَلَا تَكْسِبُ كُلُّ نَفْسٍ إِلَّا عَلَيْهَا ۚ وَلَا تَزِرُ وَازِرَةٌ وِزْرَ أُخْرَىٰ ۚ ثُمَّ إِلَىٰ رَبِّكُمْ مَرْجِعُكُمْ فَيُنَبِّئُكُمْ بِمَا كُنْتُمْ فِيهِ تَخْتَلِفُونَ164
言ってやるがいい。「アッラーは凡てのものの主であられる。あたしがかれ以外に主を求めようか。」各人はその行いに対する以外に,報酬はないのである。重荷を負う者は,外の者の重荷を負わない。やがてあなたがたは,主の御許に帰るのである,その時かれはあなたがたの争ったことに就いて,告げ知らせられる。
وَهُوَ الَّذِي جَعَلَكُمْ خَلَائِفَ الْأَرْضِ وَرَفَعَ بَعْضَكُمْ فَوْقَ بَعْضٍ دَرَجَاتٍ لِيَبْلُوَكُمْ فِي مَا آتَاكُمْ ۗ إِنَّ رَبَّكَ سَرِيعُ الْعِقَابِ وَإِنَّهُ لَغَفُورٌ رَحِيمٌ165
かれこそはあなたがたを地上の(かれの)代理者となされ,またある者を外よりも,位階を高められる御方である。それは与えたものによって,あなたがたを試みられるためである。あなたの主は懲罰する際は極めて速い。しかし,本当にかれは寛容にして慈悲深くあられる。
アル・アーラーフ
بِسْمِ اللَّهِ الرَّحْمَٰنِ الرَّحِيمِ
المص1
アリフ・ラーム・ミーム・サード。
كِتَابٌ أُنْزِلَ إِلَيْكَ فَلَا يَكُنْ فِي صَدْرِكَ حَرَجٌ مِنْهُ لِتُنْذِرَ بِهِ وَذِكْرَىٰ لِلْمُؤْمِنِينَ2
(これは)あなたに下した啓典である。あなたはそれで,もう意気そそうしてはならない。あなたが信者たちに訓戒し,警告するため(に下されたもの)である。
اتَّبِعُوا مَا أُنْزِلَ إِلَيْكُمْ مِنْ رَبِّكُمْ وَلَا تَتَّبِعُوا مِنْ دُونِهِ أَوْلِيَاءَ ۗ قَلِيلًا مَا تَذَكَّرُونَ3
(人びとよ)主からあなたがたに下されたものに従い,かれ以外の保護者に従ってはならない。だがあなたがたの(中),教訓に留意する者は少ない。
وَكَمْ مِنْ قَرْيَةٍ أَهْلَكْنَاهَا فَجَاءَهَا بَأْسُنَا بَيَاتًا أَوْ هُمْ قَائِلُونَ4
われは如何に多くの町を滅したことであろうか,わが力は夜の間に,またかれらの昼の休みに(突然)襲いかかる。
فَمَا كَانَ دَعْوَاهُمْ إِذْ جَاءَهُمْ بَأْسُنَا إِلَّا أَنْ قَالُوا إِنَّا كُنَّا ظَالِمِينَ5
わが懲罰がかれらに下った時,かれらは只「わたしたちは,本当に不義を行っていた。」と言うだけであった。
فَلَنَسْأَلَنَّ الَّذِينَ أُرْسِلَ إِلَيْهِمْ وَلَنَسْأَلَنَّ الْمُرْسَلِينَ6
それからわれは,使徒が遣された者たちを尋問し,また使徒たちをも尋問する。
فَلَنَقُصَّنَّ عَلَيْهِمْ بِعِلْمٍ ۖ وَمَا كُنَّا غَائِبِينَ7
それからわれは,(確かな)知識に基づいてかれらに告げるであろう。「われは決して不在(の時および所)はないのである。」
وَالْوَزْنُ يَوْمَئِذٍ الْحَقُّ ۚ فَمَنْ ثَقُلَتْ مَوَازِينُهُ فَأُولَـٰئِكَ هُمُ الْمُفْلِحُونَ8
量はその日,真正である。(善行の)目方の重い者は,成功する者である。
وَمَنْ خَفَّتْ مَوَازِينُهُ فَأُولَـٰئِكَ الَّذِينَ خَسِرُوا أَنْفُسَهُمْ بِمَا كَانُوا بِآيَاتِنَا يَظْلِمُونَ9
また目方の軽い者は,わが印を軽んじたため自分を損う者である。
وَلَقَدْ مَكَّنَّاكُمْ فِي الْأَرْضِ وَجَعَلْنَا لَكُمْ فِيهَا مَعَايِشَ ۗ قَلِيلًا مَا تَشْكُرُونَ10
われは地上において,あなたがた(人間)に力をもたせ,またあなたがたのため,そこに生計の道を授けた。だがあなたがたの(中),感謝する者は僅かである。
وَلَقَدْ خَلَقْنَاكُمْ ثُمَّ صَوَّرْنَاكُمْ ثُمَّ قُلْنَا لِلْمَلَائِكَةِ اسْجُدُوا لِآدَمَ فَسَجَدُوا إِلَّا إِبْلِيسَ لَمْ يَكُنْ مِنَ السَّاجِدِينَ11
われはあなたがたを創り,形を授け,それからわれは,天使たちに向かって,「アーダムにサジダしなさい。」と告げた。それで外のものは皆サジダしたが,悪魔〔イブリース〕はサジダした者の中に加わらなかった。
قَالَ مَا مَنَعَكَ أَلَّا تَسْجُدَ إِذْ أَمَرْتُكَ ۖ قَالَ أَنَا خَيْرٌ مِنْهُ خَلَقْتَنِي مِنْ نَارٍ وَخَلَقْتَهُ مِنْ طِينٍ12
かれは仰せられた。「われがあなたに命じた時,どうしてサジダしなかったのか。」悪魔は答えた。「わたしはかれよりも優れております。あなたはわたしを火から御創りになりましたが,かれを泥で創られました。」
قَالَ فَاهْبِطْ مِنْهَا فَمَا يَكُونُ لَكَ أَنْ تَتَكَبَّرَ فِيهَا فَاخْرُجْ إِنَّكَ مِنَ الصَّاغِرِينَ13
かれは仰せられた。「ここから落ちてしまえ。あなたはここで高慢であるべきではない。立ち去れ。あなたは本当に卑しむべき者である。」
قَالَ أَنْظِرْنِي إِلَىٰ يَوْمِ يُبْعَثُونَ14
悪魔は答えた。「かれらが甦らされる日まで,わたしを猶予して下さい。」
قَالَ إِنَّكَ مِنَ الْمُنْظَرِينَ15
かれは,「あなたは猶予されよう。」と仰せられた。
قَالَ فَبِمَا أَغْوَيْتَنِي لَأَقْعُدَنَّ لَهُمْ صِرَاطَكَ الْمُسْتَقِيمَ16
悪魔は答えた。「あなたがわたしを惑わされたので,わたしはあなたの正しい道の上で,人々を待ち伏せるであろう。
ثُمَّ لَآتِيَنَّهُمْ مِنْ بَيْنِ أَيْدِيهِمْ وَمِنْ خَلْفِهِمْ وَعَنْ أَيْمَانِهِمْ وَعَنْ شَمَائِلِهِمْ ۖ وَلَا تَجِدُ أَكْثَرَهُمْ شَاكِرِينَ17
そしてわたしは,かれらを前から,後ろから,右てからも左てからも襲いましょう。あなたはかれらの多くの者が,(御慈悲に対し)感謝しないことが御分かりになるでしょう。」
قَالَ اخْرُجْ مِنْهَا مَذْءُومًا مَدْحُورًا ۖ لَمَنْ تَبِعَكَ مِنْهُمْ لَأَمْلَأَنَّ جَهَنَّمَ مِنْكُمْ أَجْمَعِينَ18
かれは仰せられた。「恥辱を受けて追われて,ここから出て行け。凡そかれらの中あなたに従う者があれば,われはあなたがたの人々で地獄を満たすであろう。」
وَيَا آدَمُ اسْكُنْ أَنْتَ وَزَوْجُكَ الْجَنَّةَ فَكُلَا مِنْ حَيْثُ شِئْتُمَا وَلَا تَقْرَبَا هَـٰذِهِ الشَّجَرَةَ فَتَكُونَا مِنَ الظَّالِمِينَ19
(それからアーダムに仰せられた。) 「アーダムよ,あなたとあなたの妻は楽園に住み,随所であなたがた(の好むものを)食べなさい。只この樹に近付いて不義を犯してはならない。」
فَوَسْوَسَ لَهُمَا الشَّيْطَانُ لِيُبْدِيَ لَهُمَا مَا وُورِيَ عَنْهُمَا مِنْ سَوْآتِهِمَا وَقَالَ مَا نَهَاكُمَا رَبُّكُمَا عَنْ هَـٰذِهِ الشَّجَرَةِ إِلَّا أَنْ تَكُونَا مَلَكَيْنِ أَوْ تَكُونَا مِنَ الْخَالِدِينَ20
その後悪魔〔シャイターン〕はかれらに(嘱?)き,今まで見えなかった恥かしいところを,あらわに示そうとして言った。「あなたがたの主が,この樹に近付くことを禁じられたのは,あなたがたが天使になり,または永遠に生きる(のを恐れられた)からである。」
وَقَاسَمَهُمَا إِنِّي لَكُمَا لَمِنَ النَّاصِحِينَ21
そしてかれは,かれら両人に誓っ(て言っ)た。「わたしはあなたがたの心からの忠告者である。」
فَدَلَّاهُمَا بِغُرُورٍ ۚ فَلَمَّا ذَاقَا الشَّجَرَةَ بَدَتْ لَهُمَا سَوْآتُهُمَا وَطَفِقَا يَخْصِفَانِ عَلَيْهِمَا مِنْ وَرَقِ الْجَنَّةِ ۖ وَنَادَاهُمَا رَبُّهُمَا أَلَمْ أَنْهَكُمَا عَنْ تِلْكُمَا الشَّجَرَةِ وَأَقُلْ لَكُمَا إِنَّ الشَّيْطَانَ لَكُمَا عَدُوٌّ مُبِينٌ22
こうしてかれは両人を欺いて堕落させた。かれらがこの木を味わうと,その恥ずかしい処があらわになり,2人は園の木の葉でその身を覆い始めた。その時主は,かれらに呼びかけて仰せられた。「われはこの木をあなたがたに禁じたではないか。また悪魔〔シャイターン〕は,あなたがたの公然の敵であると告げたではないか。」
قَالَا رَبَّنَا ظَلَمْنَا أَنْفُسَنَا وَإِنْ لَمْ تَغْفِرْ لَنَا وَتَرْحَمْنَا لَنَكُونَنَّ مِنَ الْخَاسِرِينَ23
かれら両人は言った。「主よ,わたしたちは誤ちを犯しました。もしあなたの御赦しと慈悲を御受け出来ないならば,わたしたちは必ず失敗者の仲間になってしまいます。」
قَالَ اهْبِطُوا بَعْضُكُمْ لِبَعْضٍ عَدُوٌّ ۖ وَلَكُمْ فِي الْأَرْضِ مُسْتَقَرٌّ وَمَتَاعٌ إِلَىٰ حِينٍ24
かれは仰せられた。「あなたがたは落ちて行け,あなたがたは互いに敵となるであろう。あなたがたには地上に住まいと,一定の期間の恵みがあろう。」
قَالَ فِيهَا تَحْيَوْنَ وَفِيهَا تَمُوتُونَ وَمِنْهَا تُخْرَجُونَ25
かれは仰せられた。「そこであなたがたは生活し,死に,またそこから(復活の時に)引き出されるであろう。」
يَا بَنِي آدَمَ قَدْ أَنْزَلْنَا عَلَيْكُمْ لِبَاسًا يُوَارِي سَوْآتِكُمْ وَرِيشًا ۖ وَلِبَاسُ التَّقْوَىٰ ذَٰلِكَ خَيْرٌ ۚ ذَٰلِكَ مِنْ آيَاتِ اللَّهِ لَعَلَّهُمْ يَذَّكَّرُونَ26
アーダムの子孫よ,われは,恥ずかしいところを覆い,また飾るために衣装をあなたがたに授けた。だが篤信という衣装こそ最も優れたものである。これはアッラーの印である。恐らくかれらは諭されるであろう。
يَا بَنِي آدَمَ لَا يَفْتِنَنَّكُمُ الشَّيْطَانُ كَمَا أَخْرَجَ أَبَوَيْكُمْ مِنَ الْجَنَّةِ يَنْزِعُ عَنْهُمَا لِبَاسَهُمَا لِيُرِيَهُمَا سَوْآتِهِمَا ۗ إِنَّهُ يَرَاكُمْ هُوَ وَقَبِيلُهُ مِنْ حَيْثُ لَا تَرَوْنَهُمْ ۗ إِنَّا جَعَلْنَا الشَّيَاطِينَ أَوْلِيَاءَ لِلَّذِينَ لَا يُؤْمِنُونَ27
アーダムの子孫よ,あなたがたは悪魔に惑わされてはならない。かれが昔,あなたがたの祖先に,その恥ずかしいところを見せるため,かれら2人の衣を奪い,楽園から追われたように。かれ(悪魔)とかれの一味は,あなたがたの見えない所からあなたがたを見ている。本当にわれは悪魔を不信心な者たちの友とした。
وَإِذَا فَعَلُوا فَاحِشَةً قَالُوا وَجَدْنَا عَلَيْهَا آبَاءَنَا وَاللَّهُ أَمَرَنَا بِهَا ۗ قُلْ إِنَّ اللَّهَ لَا يَأْمُرُ بِالْفَحْشَاءِ ۖ أَتَقُولُونَ عَلَى اللَّهِ مَا لَا تَعْلَمُونَ28
かれらは淫らなことをする時,「わたしたちは祖先が行うのを見た。またアッラーがこれをわたしたちに命じられた。」と言う。言ってやるがいい。「アッラーは決して淫らなことを命じられない。あなたがたはアッラーに就いて,知りもしないことをロにするのか。」
قُلْ أَمَرَ رَبِّي بِالْقِسْطِ ۖ وَأَقِيمُوا وُجُوهَكُمْ عِنْدَ كُلِّ مَسْجِدٍ وَادْعُوهُ مُخْلِصِينَ لَهُ الدِّينَ ۚ كَمَا بَدَأَكُمْ تَعُودُونَ29
言ってやるがいい。「わたしの主は,正義を命じられる。それであなたがたは全霊をうち込み,何処のマスジドでも,かれに信心の誠を尽くして祈りなさい。最初あなたがたを創られたように,あなたがたは(かれに)帰るのである。
فَرِيقًا هَدَىٰ وَفَرِيقًا حَقَّ عَلَيْهِمُ الضَّلَالَةُ ۗ إِنَّهُمُ اتَّخَذُوا الشَّيَاطِينَ أَوْلِيَاءَ مِنْ دُونِ اللَّهِ وَيَحْسَبُونَ أَنَّهُمْ مُهْتَدُونَ30
かれはある一団の者を導かれ,またある一団の者には迷いを正当となされる。かれらはアッラーを差し置いて悪魔を保護者となし,正しい導きにあずかれると考えている。」
يَا بَنِي آدَمَ خُذُوا زِينَتَكُمْ عِنْدَ كُلِّ مَسْجِدٍ وَكُلُوا وَاشْرَبُوا وَلَا تُسْرِفُوا ۚ إِنَّهُ لَا يُحِبُّ الْمُسْرِفِينَ31
アーダムの子孫よ,何処のマスジドでも清潔な衣服を体につけなさい。そして食べたり飲んだりしなさい。だが度を越してはならない。本当にかれは浪費する者を御好みにならない。
قُلْ مَنْ حَرَّمَ زِينَةَ اللَّهِ الَّتِي أَخْرَجَ لِعِبَادِهِ وَالطَّيِّبَاتِ مِنَ الرِّزْقِ ۚ قُلْ هِيَ لِلَّذِينَ آمَنُوا فِي الْحَيَاةِ الدُّنْيَا خَالِصَةً يَوْمَ الْقِيَامَةِ ۗ كَذَٰلِكَ نُفَصِّلُ الْآيَاتِ لِقَوْمٍ يَعْلَمُونَ32
言ってやるがいい。「アッラーがしもぺたちに与えられた,かれからの(賜物)や,食料として(与えられた)清浄なものを,誰が禁じたのか。」言ってやるがいい。「これらのものは,現世の信仰する者たちのためのものであり,特に審判の日には完全に信者の専有するものとなる。」われはこのように印を,理解ある人々に解明する。
قُلْ إِنَّمَا حَرَّمَ رَبِّيَ الْفَوَاحِشَ مَا ظَهَرَ مِنْهَا وَمَا بَطَنَ وَالْإِثْمَ وَالْبَغْيَ بِغَيْرِ الْحَقِّ وَأَنْ تُشْرِكُوا بِاللَّهِ مَا لَمْ يُنَزِّلْ بِهِ سُلْطَانًا وَأَنْ تَقُولُوا عَلَى اللَّهِ مَا لَا تَعْلَمُونَ33
言ってやるがいい。「本当にわたしの主が禁じられたことは,あからさまな,また隠れた淫らな行いや罪,真理や道義に外れた迫害,またアッラーが何の権威をも授けられないものを崇拝すること。またアッラーに就いて,あなたがたが知らないことを語ることである。」
وَلِكُلِّ أُمَّةٍ أَجَلٌ ۖ فَإِذَا جَاءَ أَجَلُهُمْ لَا يَسْتَأْخِرُونَ سَاعَةً ۖ وَلَا يَسْتَقْدِمُونَ34
それぞれの民には,一定の期限がある。だからその期限がやって来れば,一刻も遅らすことも出来ず,早めることも出来ない。
يَا بَنِي آدَمَ إِمَّا يَأْتِيَنَّكُمْ رُسُلٌ مِنْكُمْ يَقُصُّونَ عَلَيْكُمْ آيَاتِي ۙ فَمَنِ اتَّقَىٰ وَأَصْلَحَ فَلَا خَوْفٌ عَلَيْهِمْ وَلَا هُمْ يَحْزَنُونَ35
アーダムの子孫よ,あなたがたの間から使徒がやって来て,わが印をあなたがたに語る時,主を畏れて身を修める者には,恐れもなく憂いもないであろう。
وَالَّذِينَ كَذَّبُوا بِآيَاتِنَا وَاسْتَكْبَرُوا عَنْهَا أُولَـٰئِكَ أَصْحَابُ النَّارِ ۖ هُمْ فِيهَا خَالِدُونَ36
しかしわが印を偽りであるとする高慢な者は,業火の住人として,その中に永遠に住むであろう。
فَمَنْ أَظْلَمُ مِمَّنِ افْتَرَىٰ عَلَى اللَّهِ كَذِبًا أَوْ كَذَّبَ بِآيَاتِهِ ۚ أُولَـٰئِكَ يَنَالُهُمْ نَصِيبُهُمْ مِنَ الْكِتَابِ ۖ حَتَّىٰ إِذَا جَاءَتْهُمْ رُسُلُنَا يَتَوَفَّوْنَهُمْ قَالُوا أَيْنَ مَا كُنْتُمْ تَدْعُونَ مِنْ دُونِ اللَّهِ ۖ قَالُوا ضَلُّوا عَنَّا وَشَهِدُوا عَلَىٰ أَنْفُسِهِمْ أَنَّهُمْ كَانُوا كَافِرِينَ37
凡そアッラーに就いて偽りを捏造し,またその印を拒否することより甚しい不義があろうか。それらの者には(主の)啓典に,(定められている)かれらの分け前が,到来するであろう。わが使徒(天使)がかれらを訪れて魂をとり上げる時,かれら(天使)は言う。「アッラーを差し置いて,あなたがたが祈っていたものは何処にいるのか。」かれらは言うであろう。「かれらは,わたしたちから逸れました。」かれらは自分で,本当に不信心であったことを立証する。
قَالَ ادْخُلُوا فِي أُمَمٍ قَدْ خَلَتْ مِنْ قَبْلِكُمْ مِنَ الْجِنِّ وَالْإِنْسِ فِي النَّارِ ۖ كُلَّمَا دَخَلَتْ أُمَّةٌ لَعَنَتْ أُخْتَهَا ۖ حَتَّىٰ إِذَا ادَّارَكُوا فِيهَا جَمِيعًا قَالَتْ أُخْرَاهُمْ لِأُولَاهُمْ رَبَّنَا هَـٰؤُلَاءِ أَضَلُّونَا فَآتِهِمْ عَذَابًا ضِعْفًا مِنَ النَّارِ ۖ قَالَ لِكُلٍّ ضِعْفٌ وَلَـٰكِنْ لَا تَعْلَمُونَ38
かれは仰せられた。「あなたがたは以前に行った,ジンと人間の一団と共に火獄に入れ。」そして一団が火獄に入る度に,必ず(先に行った)仲間の一団を呪う。全部の者が,次々にその中に入ると,後の一団は最初の一団をさして言う。「主よ,わたしたちを迷わせたのは,これらの者です。だから2倍の火獄の刑罰を与えて下さい。」かれは仰せられよう。「誰もみな2倍(の刑罰が)与えられよう。だがあなたがたはそれを知らない。」
وَقَالَتْ أُولَاهُمْ لِأُخْرَاهُمْ فَمَا كَانَ لَكُمْ عَلَيْنَا مِنْ فَضْلٍ فَذُوقُوا الْعَذَابَ بِمَا كُنْتُمْ تَكْسِبُونَ39
また前の一団は,後の一団に向かって言うであろう。「あなたがたは,何もわたしたちに優るところはないのです。それであなたがたが行ったことに対し,懲罰を味わいなさい。」
إِنَّ الَّذِينَ كَذَّبُوا بِآيَاتِنَا وَاسْتَكْبَرُوا عَنْهَا لَا تُفَتَّحُ لَهُمْ أَبْوَابُ السَّمَاءِ وَلَا يَدْخُلُونَ الْجَنَّةَ حَتَّىٰ يَلِجَ الْجَمَلُ فِي سَمِّ الْخِيَاطِ ۚ وَكَذَٰلِكَ نَجْزِي الْمُجْرِمِينَ40
わが印を偽りであるとし,それに対し高慢であった者たちには,天の間は決して開かれないであろう。またラクダが針の穴を通るまで,かれらは楽園に入れないであろう。このようにわれは罪ある者に報いる。
لَهُمْ مِنْ جَهَنَّمَ مِهَادٌ وَمِنْ فَوْقِهِمْ غَوَاشٍ ۚ وَكَذَٰلِكَ نَجْزِي الظَّالِمِينَ41
かれらには,臥床として地獄があり,その上は(層また層で)覆われよう。われはこのように不義なる者に報いる。
وَالَّذِينَ آمَنُوا وَعَمِلُوا الصَّالِحَاتِ لَا نُكَلِّفُ نَفْسًا إِلَّا وُسْعَهَا أُولَـٰئِكَ أَصْحَابُ الْجَنَّةِ ۖ هُمْ فِيهَا خَالِدُونَ42
だが信仰して善い行いに励む者は,われは誰にも,能力以上のものを負わせない。かれらは楽園の住人である。その中に永遠に住むのである。
وَنَزَعْنَا مَا فِي صُدُورِهِمْ مِنْ غِلٍّ تَجْرِي مِنْ تَحْتِهِمُ الْأَنْهَارُ ۖ وَقَالُوا الْحَمْدُ لِلَّهِ الَّذِي هَدَانَا لِهَـٰذَا وَمَا كُنَّا لِنَهْتَدِيَ لَوْلَا أَنْ هَدَانَا اللَّهُ ۖ لَقَدْ جَاءَتْ رُسُلُ رَبِّنَا بِالْحَقِّ ۖ وَنُودُوا أَنْ تِلْكُمُ الْجَنَّةُ أُورِثْتُمُوهَا بِمَا كُنْتُمْ تَعْمَلُونَ43
われはかれらの心の中の怨恨を除き,かれらの足元に川を流す。かれらは言うであろう。「わたしたちをこの(幸福)に御導き下された,アッラーを讃える。もしアッラーの御導きがなかったならば,わたしたちは決して(正しく)導かれなかったでありましょう。主の使徒たちは,確かに真理を伝えました。」(声があり)かれらは呼びかけられる。「これが楽園である。あなたがたは(正しい)行いのために,ここの居住者となれたのである。」
وَنَادَىٰ أَصْحَابُ الْجَنَّةِ أَصْحَابَ النَّارِ أَنْ قَدْ وَجَدْنَا مَا وَعَدَنَا رَبُّنَا حَقًّا فَهَلْ وَجَدْتُمْ مَا وَعَدَ رَبُّكُمْ حَقًّا ۖ قَالُوا نَعَمْ ۚ فَأَذَّنَ مُؤَذِّنٌ بَيْنَهُمْ أَنْ لَعْنَةُ اللَّهِ عَلَى الظَّالِمِينَ44
楽園の仲間は火獄の仲間に向かって叫ぶであろう。「わたしたちは主の約束が真実であることが分った。あなたがたも主の約束が真実であることが分ったか。」かれらは「はい」と答えるであろう。その時1人の告知人が,両者の間で叫ぶであろう。「アッラーの御怒りは,不義の徒の上に下るのだ。
الَّذِينَ يَصُدُّونَ عَنْ سَبِيلِ اللَّهِ وَيَبْغُونَهَا عِوَجًا وَهُمْ بِالْآخِرَةِ كَافِرُونَ45
これらの者はアッラーの道から(人びとを)背かせ,また歪めようとした者であり来世を信じない者たちであった。」
وَبَيْنَهُمَا حِجَابٌ ۚ وَعَلَى الْأَعْرَافِ رِجَالٌ يَعْرِفُونَ كُلًّا بِسِيمَاهُمْ ۚ وَنَادَوْا أَصْحَابَ الْجَنَّةِ أَنْ سَلَامٌ عَلَيْكُمْ ۚ لَمْ يَدْخُلُوهَا وَهُمْ يَطْمَعُونَ46
両者の間には仕切りの壁があり,高い壁の上には印によって,凡ての者を見分ける人びとがいて,かれらは楽園に行く人を呼んで(言う)。「あなたがたに平安あれ。」かれらは望んでいるのだが,そこに入ることは出来ない。
وَإِذَا صُرِفَتْ أَبْصَارُهُمْ تِلْقَاءَ أَصْحَابِ النَّارِ قَالُوا رَبَّنَا لَا تَجْعَلْنَا مَعَ الْقَوْمِ الظَّالِمِينَ47
次に目を火獄の住人の方に向けるとかれらは,「主よ,わたしたちを不義の人びとと一緒にしないで下さい。」と言うであろう。
وَنَادَىٰ أَصْحَابُ الْأَعْرَافِ رِجَالًا يَعْرِفُونَهُمْ بِسِيمَاهُمْ قَالُوا مَا أَغْنَىٰ عَنْكُمْ جَمْعُكُمْ وَمَا كُنْتُمْ تَسْتَكْبِرُونَ48
高い壁の上にいる人びとは,その印によって見分けた人びとに向かって呼びかけて,言う。「あなたがたは(財を)積み,大いに自慢していたが何の役にも立たなかった。
أَهَـٰؤُلَاءِ الَّذِينَ أَقْسَمْتُمْ لَا يَنَالُهُمُ اللَّهُ بِرَحْمَةٍ ۚ ادْخُلُوا الْجَنَّةَ لَا خَوْفٌ عَلَيْكُمْ وَلَا أَنْتُمْ تَحْزَنُونَ49
これらの人々は,アッラーがかれらには慈悲を施さないであろうと,あなたがたが断言した人びとではないか。(これらの人々に就いては)さあ楽園に入りなさい。あなたがたには,恐れもなく憂いもないであろう。」(と言われるであろう)。
وَنَادَىٰ أَصْحَابُ النَّارِ أَصْحَابَ الْجَنَّةِ أَنْ أَفِيضُوا عَلَيْنَا مِنَ الْمَاءِ أَوْ مِمَّا رَزَقَكُمُ اللَّهُ ۚ قَالُوا إِنَّ اللَّهَ حَرَّمَهُمَا عَلَى الْكَافِرِينَ50
火獄の仲間は楽園の仲間を呼んで(言う)。「わたしたちに水を注いでくれ。またはアッラーが,あなたがたに与えられたものを恵んでくれ。」かれらは(答えて)言う。「アッラーは,そのどちらをも,不信者には禁じられる。」
الَّذِينَ اتَّخَذُوا دِينَهُمْ لَهْوًا وَلَعِبًا وَغَرَّتْهُمُ الْحَيَاةُ الدُّنْيَا ۚ فَالْيَوْمَ نَنْسَاهُمْ كَمَا نَسُوا لِقَاءَ يَوْمِهِمْ هَـٰذَا وَمَا كَانُوا بِآيَاتِنَا يَجْحَدُونَ51
かれらは自分の宗教を遊びや戯れと心得,またこの世の生活に欺かれた者たちである。それでかれらがこの日の会見を忘れ,またわが印を拒否していたように,今日われはかれらを忘れるであろう。
وَلَقَدْ جِئْنَاهُمْ بِكِتَابٍ فَصَّلْنَاهُ عَلَىٰ عِلْمٍ هُدًى وَرَحْمَةً لِقَوْمٍ يُؤْمِنُونَ52
われはまさに啓典をかれらに下し,知識によって詳しく述べた。これは信じる人びとへの導きであり,慈悲である。
هَلْ يَنْظُرُونَ إِلَّا تَأْوِيلَهُ ۚ يَوْمَ يَأْتِي تَأْوِيلُهُ يَقُولُ الَّذِينَ نَسُوهُ مِنْ قَبْلُ قَدْ جَاءَتْ رُسُلُ رَبِّنَا بِالْحَقِّ فَهَلْ لَنَا مِنْ شُفَعَاءَ فَيَشْفَعُوا لَنَا أَوْ نُرَدُّ فَنَعْمَلَ غَيْرَ الَّذِي كُنَّا نَعْمَلُ ۚ قَدْ خَسِرُوا أَنْفُسَهُمْ وَضَلَّ عَنْهُمْ مَا كَانُوا يَفْتَرُونَ53
かれら(マッカの人びと)は,その解明を待つ以外にはない。その解明が行われる日になって,先にこれを軽視していた者は言うであろう。「主の使徒たちは,確かに真理を伝えたのだ。昔かれらがわたしたちのために執り成したように,執り成す者はないのか。それともわたしたちは(地上の生活に)返されて,わたしたちがしなかった行いをすることが出来ないのか。」実際に,かれらは自分の魂を滅ぼし,勝手に造りあげていたものたちはかれらから姿を消してしまった。
إِنَّ رَبَّكُمُ اللَّهُ الَّذِي خَلَقَ السَّمَاوَاتِ وَالْأَرْضَ فِي سِتَّةِ أَيَّامٍ ثُمَّ اسْتَوَىٰ عَلَى الْعَرْشِ يُغْشِي اللَّيْلَ النَّهَارَ يَطْلُبُهُ حَثِيثًا وَالشَّمْسَ وَالْقَمَرَ وَالنُّجُومَ مُسَخَّرَاتٍ بِأَمْرِهِ ۗ أَلَا لَهُ الْخَلْقُ وَالْأَمْرُ ۗ تَبَارَكَ اللَّهُ رَبُّ الْعَالَمِينَ54
本当にあなたがたの主はアッラーであられる。かれは6日で天と地を創り,それから玉座に座しておられる。かれは昼の上に夜を覆わせ,夜に昼を慌ただしく相継がしめなされ,また太陽,月,群星を,命に服させられる。ああ,かれこそは創造し統御される御方ではないか。万有の主アッラーに祝福あれ。
ادْعُوا رَبَّكُمْ تَضَرُّعًا وَخُفْيَةً ۚ إِنَّهُ لَا يُحِبُّ الْمُعْتَدِينَ55
謙虚にまた目立たない隠れたところで,あなたがたの主に祈れ。かれは教えに背く者を御好みになられない。
وَلَا تُفْسِدُوا فِي الْأَرْضِ بَعْدَ إِصْلَاحِهَا وَادْعُوهُ خَوْفًا وَطَمَعًا ۚ إِنَّ رَحْمَتَ اللَّهِ قَرِيبٌ مِنَ الْمُحْسِنِينَ56
秩序が定められた後,地上で悪を行ってはならない。恐れと熱情をもってかれに祈れ。本当にアッラーの慈悲は,(常に)善行をなす者の近くにある。
وَهُوَ الَّذِي يُرْسِلُ الرِّيَاحَ بُشْرًا بَيْنَ يَدَيْ رَحْمَتِهِ ۖ حَتَّىٰ إِذَا أَقَلَّتْ سَحَابًا ثِقَالًا سُقْنَاهُ لِبَلَدٍ مَيِّتٍ فَأَنْزَلْنَا بِهِ الْمَاءَ فَأَخْرَجْنَا بِهِ مِنْ كُلِّ الثَّمَرَاتِ ۚ كَذَٰلِكَ نُخْرِجُ الْمَوْتَىٰ لَعَلَّكُمْ تَذَكَّرُونَ57
かれこそは,慈悲に先んじて吉報を(打?)す風を送られる御方である。それが(雨を)含んだ重い雲を運ベば,われはそれを死んでいる地に送って雨を降らせ,これによって各種の果実を生産させる。われはこのように死者を甦らせる。恐らくあなたがたは悟るであろう。
وَالْبَلَدُ الطَّيِّبُ يَخْرُجُ نَبَاتُهُ بِإِذْنِ رَبِّهِ ۖ وَالَّذِي خَبُثَ لَا يَخْرُجُ إِلَّا نَكِدًا ۚ كَذَٰلِكَ نُصَرِّفُ الْآيَاتِ لِقَوْمٍ يَشْكُرُونَ58
良い上には,主の御許しによって,草木が茂る。悪い上には,貧弱なものの外生長しない。われはこのように感謝する者のために,繰り返し各種の印を解明している。
لَقَدْ أَرْسَلْنَا نُوحًا إِلَىٰ قَوْمِهِ فَقَالَ يَا قَوْمِ اعْبُدُوا اللَّهَ مَا لَكُمْ مِنْ إِلَـٰهٍ غَيْرُهُ إِنِّي أَخَافُ عَلَيْكُمْ عَذَابَ يَوْمٍ عَظِيمٍ59
先にわれはヌーフをその民に遺わした。かれは言った。「わたしの人びとよ,アッラーに仕えなさい。かれの外に神はないのである。本当にわたしは,偉大な日の懲罰をあなたがたのために恐れる。」
قَالَ الْمَلَأُ مِنْ قَوْمِهِ إِنَّا لَنَرَاكَ فِي ضَلَالٍ مُبِينٍ60
かれの民の長老たちは言った。「本当にわたしたちは,あなたが明らかに間違っていると思う。」
قَالَ يَا قَوْمِ لَيْسَ بِي ضَلَالَةٌ وَلَـٰكِنِّي رَسُولٌ مِنْ رَبِّ الْعَالَمِينَ61
かれは(答えて)言った。「人びとよ,わたしは間違うことはない。それどころか,わたしは万有の主の使徒である。
أُبَلِّغُكُمْ رِسَالَاتِ رَبِّي وَأَنْصَحُ لَكُمْ وَأَعْلَمُ مِنَ اللَّهِ مَا لَا تَعْلَمُونَ62
わたしはあなたがたに,主の神託を宣べ伝え,また助言を呈する。わたしはあなたがたが知らないことを,アッラーから知るものである。
أَوَعَجِبْتُمْ أَنْ جَاءَكُمْ ذِكْرٌ مِنْ رَبِّكُمْ عَلَىٰ رَجُلٍ مِنْكُمْ لِيُنْذِرَكُمْ وَلِتَتَّقُوا وَلَعَلَّكُمْ تُرْحَمُونَ63
あなたがたの中の1人を通じ,主の訓戒があなたがたにやって来たことを驚くのか。そしてあなたがたに警告し,主を畏れるようにし,あなたがたを慈悲に浴させるであろう。」
فَكَذَّبُوهُ فَأَنْجَيْنَاهُ وَالَّذِينَ مَعَهُ فِي الْفُلْكِ وَأَغْرَقْنَا الَّذِينَ كَذَّبُوا بِآيَاتِنَا ۚ إِنَّهُمْ كَانُوا قَوْمًا عَمِينَ64
だがかれらはヌーフを拒否した。それでわれは,かれと方舟の中で一緒であったものたちを救い,わが印を偽りであるとした者たちを溺れさせた。本当にかれらは盲目の民であった。
وَإِلَىٰ عَادٍ أَخَاهُمْ هُودًا ۗ قَالَ يَا قَوْمِ اعْبُدُوا اللَّهَ مَا لَكُمْ مِنْ إِلَـٰهٍ غَيْرُهُ ۚ أَفَلَا تَتَّقُونَ65
(われは)またアードの民に,その同胞のフードを(遣わした)。かれは言った。「わたしの人びとよ,アッラーに仕えなさい。あなたがたには,かれ(アッラー)の外に神はないのである。あなたがたは主を畏れないのか。」
قَالَ الْمَلَأُ الَّذِينَ كَفَرُوا مِنْ قَوْمِهِ إِنَّا لَنَرَاكَ فِي سَفَاهَةٍ وَإِنَّا لَنَظُنُّكَ مِنَ الْكَاذِبِينَ66
かれの民の中不信心な長老たちは言った。「わたしたちは,実際あなたを愚かな者だと思う。またあなたは,本当の嘘つきだと考える。」
قَالَ يَا قَوْمِ لَيْسَ بِي سَفَاهَةٌ وَلَـٰكِنِّي رَسُولٌ مِنْ رَبِّ الْعَالَمِينَ67
かれは言った。「人びとよ,わたしは愚か者ではない。それどころか,わたしは万有の主からの使徒である。
أُبَلِّغُكُمْ رِسَالَاتِ رَبِّي وَأَنَا لَكُمْ نَاصِحٌ أَمِينٌ68
わたしは,あなたがたに主の神託を宣べ伝え,また誠実な信頼出来るあなたがたへの助言者である。
أَوَعَجِبْتُمْ أَنْ جَاءَكُمْ ذِكْرٌ مِنْ رَبِّكُمْ عَلَىٰ رَجُلٍ مِنْكُمْ لِيُنْذِرَكُمْ ۚ وَاذْكُرُوا إِذْ جَعَلَكُمْ خُلَفَاءَ مِنْ بَعْدِ قَوْمِ نُوحٍ وَزَادَكُمْ فِي الْخَلْقِ بَسْطَةً ۖ فَاذْكُرُوا آلَاءَ اللَّهِ لَعَلَّكُمْ تُفْلِحُونَ69
あなたがたの中の1人を通じて警告するために,主の訓戒があなたがたにやって来たことを驚くのか。主はあなたがたにヌーフの民の後継ぎをさせ,またあなたがたの体が強大にされたことを思いなさい。だからアッラーの恩恵を念じなさい。きっとあなたがたは成功するであろう。」
قَالُوا أَجِئْتَنَا لِنَعْبُدَ اللَّهَ وَحْدَهُ وَنَذَرَ مَا كَانَ يَعْبُدُ آبَاؤُنَا ۖ فَأْتِنَا بِمَا تَعِدُنَا إِنْ كُنْتَ مِنَ الصَّادِقِينَ70
かれらは言った。「あなたは,わたしたちがアッラーだけに仕え,わたしたちの祖先が仕えていたものを捨てさせるために来たのか。もしあなたが真実ならば,あなたが脅すものをわたしたちに(育?)せ。」
قَالَ قَدْ وَقَعَ عَلَيْكُمْ مِنْ رَبِّكُمْ رِجْسٌ وَغَضَبٌ ۖ أَتُجَادِلُونَنِي فِي أَسْمَاءٍ سَمَّيْتُمُوهَا أَنْتُمْ وَآبَاؤُكُمْ مَا نَزَّلَ اللَّهُ بِهَا مِنْ سُلْطَانٍ ۚ فَانْتَظِرُوا إِنِّي مَعَكُمْ مِنَ الْمُنْتَظِرِينَ71
かれは言った。「あなたがたの主の懲罰と御怒りは,既にあなたがたに下っている。あなたがたと,あなたがたの祖先が命名した(偶像の)名に就いて,アッラーが何の権威をも授けられないものに就いて,あなたがたはわたしと論争するのか。それなら待て。本当にわたしも,あなたがたと共に待っている者である。」
فَأَنْجَيْنَاهُ وَالَّذِينَ مَعَهُ بِرَحْمَةٍ مِنَّا وَقَطَعْنَا دَابِرَ الَّذِينَ كَذَّبُوا بِآيَاتِنَا ۖ وَمَا كَانُوا مُؤْمِنِينَ72
それだからわれは慈悲をもって,かれと一緒にいる者たちを救い,わが印を拒否した者と信仰しなかった者たちを根絶してしまった。
وَإِلَىٰ ثَمُودَ أَخَاهُمْ صَالِحًا ۗ قَالَ يَا قَوْمِ اعْبُدُوا اللَّهَ مَا لَكُمْ مِنْ إِلَـٰهٍ غَيْرُهُ ۖ قَدْ جَاءَتْكُمْ بَيِّنَةٌ مِنْ رَبِّكُمْ ۖ هَـٰذِهِ نَاقَةُ اللَّهِ لَكُمْ آيَةً ۖ فَذَرُوهَا تَأْكُلْ فِي أَرْضِ اللَّهِ ۖ وَلَا تَمَسُّوهَا بِسُوءٍ فَيَأْخُذَكُمْ عَذَابٌ أَلِيمٌ73
(われは)また,サムードの民にその同胞サーリフを(遣わした)。かれは言った。「わたしの人びとよ,アッラーに仕えなさい。あなたがたには,かれの外に神はないのである。今主から証があなたがたに下った。このアッラーの雌ラクダが,あなたがたへの印である。それでこれをアッラーの大地に放牧して食べさせなさい。そしてあなたがたが痛ましい懲罰に遭わないよう,それに害を加えてはならない。
وَاذْكُرُوا إِذْ جَعَلَكُمْ خُلَفَاءَ مِنْ بَعْدِ عَادٍ وَبَوَّأَكُمْ فِي الْأَرْضِ تَتَّخِذُونَ مِنْ سُهُولِهَا قُصُورًا وَتَنْحِتُونَ الْجِبَالَ بُيُوتًا ۖ فَاذْكُرُوا آلَاءَ اللَّهِ وَلَا تَعْثَوْا فِي الْأَرْضِ مُفْسِدِينَ74
またかれは,アードの民の後をあなたがたに継がせ,その地に安住させられた時のことを思いなさい。あなたがたは平地に官殿を設け,また(岩)山に家を彫りこんだ。だからアッラーの御恵みを心に銘じて,悪を慎み,地上を乱してはならない。」
قَالَ الْمَلَأُ الَّذِينَ اسْتَكْبَرُوا مِنْ قَوْمِهِ لِلَّذِينَ اسْتُضْعِفُوا لِمَنْ آمَنَ مِنْهُمْ أَتَعْلَمُونَ أَنَّ صَالِحًا مُرْسَلٌ مِنْ رَبِّهِ ۚ قَالُوا إِنَّا بِمَا أُرْسِلَ بِهِ مُؤْمِنُونَ75
その民の中の高慢な長老たちは,力がないと思われていた信仰する者たちに言った。「あなたがたはサーリフが,主から遺わされたことを知っているのか。」かれらは(答えて)言った。「わたしたちは,かれが遺わされた者であることを本当に信します。」
قَالَ الَّذِينَ اسْتَكْبَرُوا إِنَّا بِالَّذِي آمَنْتُمْ بِهِ كَافِرُونَ76
高慢な者たちは言った。「わたしたちは,あなたがたが信じるものを認めない。」
فَعَقَرُوا النَّاقَةَ وَعَتَوْا عَنْ أَمْرِ رَبِّهِمْ وَقَالُوا يَا صَالِحُ ائْتِنَا بِمَا تَعِدُنَا إِنْ كُنْتَ مِنَ الْمُرْسَلِينَ77
そこでかれらは,かの雌ラクダの膝の健を切って不具にし,(屠殺し)かれらの主の命令を倣慢無礼にも無視して,かれらは言った。「サーリフよ,もしあなたが(本当に)使徒であるならば,ふりかかってくると言っているものを,わたしたちに(宙?)せ。」
فَأَخَذَتْهُمُ الرَّجْفَةُ فَأَصْبَحُوا فِي دَارِهِمْ جَاثِمِينَ78
そこで大地震がかれらを襲い,翌朝かれらはその家の中に平伏していた。
فَتَوَلَّىٰ عَنْهُمْ وَقَالَ يَا قَوْمِ لَقَدْ أَبْلَغْتُكُمْ رِسَالَةَ رَبِّي وَنَصَحْتُ لَكُمْ وَلَـٰكِنْ لَا تُحِبُّونَ النَّاصِحِينَ79
それで(サーリフは)かれらから去って言った。「わたしの人びとよ,確かにわたしは主の御告げを宣ぺ伝え,またあなたがたに助言をした。だがあなたがたは誠実な助言者を喜ばない。」
وَلُوطًا إِذْ قَالَ لِقَوْمِهِ أَتَأْتُونَ الْفَاحِشَةَ مَا سَبَقَكُمْ بِهَا مِنْ أَحَدٍ مِنَ الْعَالَمِينَ80
また(われは)ルートを(遺わした),かれはその民に言った。「あなたがたは,あなたがた以前のどの世でも,誰も行わなかった淫らなことをするのか。
إِنَّكُمْ لَتَأْتُونَ الرِّجَالَ شَهْوَةً مِنْ دُونِ النِّسَاءِ ۚ بَلْ أَنْتُمْ قَوْمٌ مُسْرِفُونَ81
あなたがたは,情欲のため女でなくて男に赴く。いやあなたがたは,途方もない人びとである。」
وَمَا كَانَ جَوَابَ قَوْمِهِ إِلَّا أَنْ قَالُوا أَخْرِجُوهُمْ مِنْ قَرْيَتِكُمْ ۖ إِنَّهُمْ أُنَاسٌ يَتَطَهَّرُونَ82
かれの民は,只(互いに)こう言うだけであった。「かれらを,あなたがたの村から追い出せ。かれらは本当に清純ぶった人たちである。」
فَأَنْجَيْنَاهُ وَأَهْلَهُ إِلَّا امْرَأَتَهُ كَانَتْ مِنَ الْغَابِرِينَ83
こうしてわれは,かれ(ルート)の妻を除き,かれとその家族を救った。かの女は後の方になった遅れた者の仲間であった。
وَأَمْطَرْنَا عَلَيْهِمْ مَطَرًا ۖ فَانْظُرْ كَيْفَ كَانَ عَاقِبَةُ الْمُجْرِمِينَ84
われはかれらの上に,(瓦(際?)の)雨を降らせた。見なさい。罪に耽る者の最後がどんなものであったかを。
وَإِلَىٰ مَدْيَنَ أَخَاهُمْ شُعَيْبًا ۗ قَالَ يَا قَوْمِ اعْبُدُوا اللَّهَ مَا لَكُمْ مِنْ إِلَـٰهٍ غَيْرُهُ ۖ قَدْ جَاءَتْكُمْ بَيِّنَةٌ مِنْ رَبِّكُمْ ۖ فَأَوْفُوا الْكَيْلَ وَالْمِيزَانَ وَلَا تَبْخَسُوا النَّاسَ أَشْيَاءَهُمْ وَلَا تُفْسِدُوا فِي الْأَرْضِ بَعْدَ إِصْلَاحِهَا ۚ ذَٰلِكُمْ خَيْرٌ لَكُمْ إِنْ كُنْتُمْ مُؤْمِنِينَ85
(われは)また,マドヤンの民に,その同胞のシュアイブを(遺わした)。かれは言った。「わたしの人びとよ,アッラーに仕えなさい。あなたがたにはかれの外に神はないのである。今主からの証が,あなたがたに下ったのだ。だからきちんと寸法をとり,目方を量り,人を誤魔化してはならない。また秩序が定められた後,地上で悪を行ってはならない。もしあなたがたが信者であるならば,これはあなたがたのために最も良いことである。
وَلَا تَقْعُدُوا بِكُلِّ صِرَاطٍ تُوعِدُونَ وَتَصُدُّونَ عَنْ سَبِيلِ اللَّهِ مَنْ آمَنَ بِهِ وَتَبْغُونَهَا عِوَجًا ۚ وَاذْكُرُوا إِذْ كُنْتُمْ قَلِيلًا فَكَثَّرَكُمْ ۖ وَانْظُرُوا كَيْفَ كَانَ عَاقِبَةُ الْمُفْسِدِينَ86
あなたがたは,(旅人を脅かすために)どの路上でも待伏せしてはならない。また信じる者をアッラーの道から妨げたり,曲げ(ようとし)てはならない。またあなたがたは少数であったが,かれが(如何に)数多くなされたかを思いなさい。また悪を行ったものの最後がどうであったかを見なさい。
وَإِنْ كَانَ طَائِفَةٌ مِنْكُمْ آمَنُوا بِالَّذِي أُرْسِلْتُ بِهِ وَطَائِفَةٌ لَمْ يُؤْمِنُوا فَاصْبِرُوا حَتَّىٰ يَحْكُمَ اللَّهُ بَيْنَنَا ۚ وَهُوَ خَيْرُ الْحَاكِمِينَ87
それからもしあなたがたの中に,わたしの遣わされた使命を信じる一団と,それを信じない一団とがある時は,アッラーがわたしたちの間を裁かれるまで待ちなさい。本当にかれは裁決に最も優れた御方であられる。」